#379 あと一歩..

2025/11/09 11:51

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#379 あと一歩..

2025年11月8日(土)は「第15回豊田通商カップ第7回愛知県U15バスケットボール選手権大会2025」の3回戦で去年敗戦したM.R.Seaさんとのリベンジマッチでした。

この日の敗戦から今のINUYAMA BASKETBALL CLUBとして足りないと感じたことを整理して、グループ制度の導入、食トレ会の開催、ラントレの導入、シューターの育成、やりたい事をやらせてもらえない時の対応等、この一年間の時間をかけて新チーム立ち上がりの第一タームから日々の練習に向き合ってきました。

年間を通して体の成長だけではなく心の成長も大きく、特に今年の3年生は入団当初からリーダーシップを取っていた翔太に加え、右太郎が1年生の頃から意識・取り組み方が変わり、自分たちの代に変わってからはこうせい、おうすけがリーダーに加わった中で、学年全体として徐々にに良い変化を遂げながら前へ進んでこれました。

背水の陣で挑んだこの日の試合。会場にはジュニアの1、2年生、ミニの子達、卒団したOB達を含めて数えきれないほどの応援団が観客席を埋めてくれました。これだけの人たちの前でプレーができる幸せと喜びを味方にして、今日は勝利のために全力を尽くそうとコートに送り出しました。

第一クォーターから互角の展開で両チームに明確な流れが行き渡らないまま試合が進みました。得点の取り合いではなく守り合いの展開で22-21と昨年度同様にロースコアで前半を折り返しました。ハーフタイムにはオフェンス面で真ん中を起点にする事とベースラインドライブから逆サイドカッティングしてくる時の対応、全員でリバウンドへいくことを再確認しコートに送り出しました。M.R.Seaさんは走力が売りのチーム、走り合いでやり合うのではなく前半はハーフコートで小さく守りながら、メンバーをローテーションさせて体力を維持しつつという目標も概ね達成でき、ゲームプラン通りに試合を進めることはできました。

迎えた後半戦。守り合いの同様の展開でしたが相手の3Pが連続で決まったこともあり、33-34で最終クォーターへ移ります。4Qはこの日のバランスをみてベストだと感じた5人をコートに送り出し子供達を信じて見守りました。残り28秒で1点ビハインド。タイムアウトを取り守り切っても時間は余るけど前からボールを取りにいこうと指示を出しました。死に物狂いでボールを追いかけましたが取りきれず残り5秒で失点、3点差で敗戦がこの時さすがに頭をよぎりましたがすぐにスローインしボールをプッシュしたこうせいが残り1秒でシューターの右太郎にボールを託しました。「一番打つのが簡単で一番入れるのが難しいシュート」この3年間で誰よりも手を抜かずいつも真剣に向き合って練習をし続けたからこそ、シューターという役目を右太郎に任せました。

残り1秒、左のウイングあたりから放たれたボールがブザーの音と同時にリングに吸い込まれました。たった1秒だけど、たった1本かもしれないけど、本物の努力はこうやって報われるのだと、プレーで証明してくれて本当に嬉しかったです。

44-44同点延長、右太郎が繋いでくれた残りの戦いは退場者や怪我人も出たなかでお互いが総力戦の勝負になりました。最後の最後までどちらに転ぶか分からない展開で両チームがルーズボールやリバウンドに飛び込みながら必死に戦いましたがジャンプシュート、フリースロー、ゴール下、ここぞのラスト一本がなかなか決まらず、残り1秒で放ったシュートがリングに弾かれて、3点差の敗戦で幕を閉じました。

▼試合結果
INUYAMA 46-49 M.R.Sea ●
1Q 14-10
2Q 22-21
3Q 33-34
4Q 44-44
OT 46-49

この日のゲーム。子供達は必死に戦いました。今までで一番に気持ちを感じた試合かもしれません。トラップ対策として準備していたことも見事に遂行してくれ、どちらかと言えばINUYAMAのリズムで試合は展開できていたと思います。

試合終了後、犬山の関係者だけではなく、観ていた本当にたくさんの人たちから「感動」という言葉をいただきました。誰が観ても良いゲームだったのは確かで、負けたけど力を出し切っていたのも事実で、でも、だからこそ勝たせてあげたかった。INUYAMAらしいゲームができてそれでも勝たせてあげられなかったことに指導者としての力不足を感じてます。こんなにも恵まれた環境にいて結果を出せない自分に腹が立ちますがそれが実力。認めて前に進んでいくしかありません。

最後の挨拶では一年間リーダーを務めた4人からも全員へ感謝の気持ちが伝えられました。バスケットで勝たせてあげられなかったけど、たくさんの人たち応援されるチームになったこと、そして一人ひとりが選手として人間として感動を与えられる存在に成長できたこと、それが自分のなかでは唯一の救いです。

今日の結果より、明日の行動。

ずっと大切にしている言葉ですが、あの一本、あの一瞬、あのワンプレー、自分も含めて今日のゲーム、この日を迎えるまでに過ごした一年をこれからの教訓にして、また歩んでいけるように頑張りたいです。

入団した頃には大丈夫かと心配していた子達が、たった2年半で見違えるように周りに感動を与えられる人として成長してくれました。今年の3年生はグループ制の基礎となる部分をつくってくれ、練習の取り組み方の大切さを身を持って体現してくれたこと、本当に感謝しています。

選手権はこれで終わりになりますがまだまだこのメンバーで試合ができる時間が残されています。そして卒団までの間には自分たちが築いてきたものを1、2年達に引き継いでいけるようにサポートをお願いしたいですね。

まだまだ力を貸してください。Be a Giver..