#34 U15食トレ(第一弾)

2024/11/29 12:47

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#34 U15食トレ(第一弾)

U15AC・食トレ担当の三品です。成長期の食トレを題材にINUYAMAジュニアでの取り組みを書いていきたいと思います。今回は第一弾となります。

【食トレは選手と保護者の両輪で】
保護者:よく食べているのに太れない
選手:たくさん食べているのに体重増えない

食トレの話をしていると上記のような話を耳にします。

よくよく聞いてみると・・
・朝食も補食も食べているけど食事内容が実は少ない
・夜たくさん食べているから朝食が食べられない
・偏食で決まったものしか口にしない 等

たくさん食べているつもりが1日の総摂取カロリーが1日の消費カロリーと同等に近いのは割と陥り易いパターンになります。成長期+スポーツ活動で体は大量にカロリー消費します。選手が多く食べたいと思ってもそれに見合う食事の提供がなければいけないですし、保護者が熱心でも選手が食べなければ回っていかないので、選手と保護者双方の意識を高めて上手く噛み合っていくことで食トレは成功に近づいていきます。INUYAMAでは選手だけでなく保護者の方にも多くの情報を共有し親子で様々な事をお願いさせて頂いております。

【食トレの目的】
食トレを積極的に取り入れている理由としては、フィジカルで負けない、怪我防止などもありますが『成長期の差を埋める』ということを重要視しています。常々選手には2学年の差はあっても1学年の差は無いという話をします。U13選手であればU14選手をU14選手はU15選手をU15選手であればU16高校生相手に。上級生と対等に勝負するための体作りが重要と選手には伝えています。中学1000日、高校1000日の2000日が中・高でバスケができる期間と考え、中学三年間は準備期間、1000日かけて土台を作り、高校1年生スタート時からプレータイムを少しでももらえるように、早期にチャンスを掴めるように中学生世代よりもう少し先の未来を見据え食トレを取り入れているのが最大の理由になります。 

【自分の数値を知る】
おおよそ13歳前後から男子であれば第2成長期(性徴期)が始まり急激な体型変化がおきます。この世代のチームには早熟選手、晩熟選手が居て身長差、体重差もバラバラなのが特徴です。しかし、括りは同年代、争う相手も一度コートに立てば同じような体形の選手とは限りません。相手とのコンタクトで負けない為にも体重増加は非常に重要です。INUYAMAでは月末に身長・体重の報告があり選手の身長の伸び率、体重の増加率を見て個別に設定しています。翌月の設定体重、目標となる体重と現状どれくらい差があるのかを一覧でわかるようにしています。


【体重は毎日記録】
毎日自分の体重を計測して記録、自身の体重を常に知っておく。月末の体重から月初の体重を引き、ひと月でどれだけ増減したかを確認します。


【グラフで可視化、情報を拾い上げる】
毎月の報告はグラフ化、選手個人の身長体重の数値、目標体重との差を一目で理解できるようにしています。数字を見ていても変化には気が付きにくいです。グラフ化することによって選手の変化も見えやすくなり、身長の伸び率で多くの睡眠時間が必要な時期かまた目標体重との差もわかりやすくなります。


棒グラフは先月との体重差と目標体重との差を可視化しています。


この世代は身長の伸び率に個人差が大きい時期ですので身長の変化は注視しています。


【目標体重差を縮める】
選手個人の設定値はグラフ化する為にスペ110と言われている(身長-110)に+3,+5,+7を足す3段階で設定。基本はBMIから設定していますが双方の擦り合わせをしています。身長が伸びているときに体重を増やし目標体重の差を縮めていくこれが第一目標です。第二成長期の時期は身長もあっという間に伸びますので単純に体重を増やして目標体重の差は縮まらない、体型の比率が変わっていない、体重が増えているにも関わらずそれ以上に身長が伸びているため痩せ方向へ進んでいるということもありえます。痩せ型にしない為に1cmの身長が伸びた場合は0.8kg以上できれば1cm1kgの体重増加を推奨しています。


INUYAMAジュニアではこのような形で食トレ、体重管理を進めています。今後は過去の卒団生のなかで食トレに成功して急速に伸びていった選手の食事量など、具体的な事例を出して記事にしてみたいと思っています。